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日野病院を去るに当たって -平成28年9月掲載

 昼間の暑さはまだ続いていますが、朝夕の涼しさや日暮れの早さなどで秋の訪れを感じる頃になりました。稲穂が垂れ、田んぼは金色に色づき始めてきました。毎年、通勤の途中で見るこのいつもの景色が今年で見納めになるとは思ってもいませんでした。
 私は平成17年4月1日にひの病院に赴任し、翌年の平成18年7月1日より病院長職を10年3ヶ月に渡り遂行してまいりました。しかし、諸般の事情で9月30日をもって日野病院を退職することになりました。私より以前の歴代病院長8人のうち10年以上在職された方はお二人しかおられません。もちろん長ければ良いというものではないかもしれませんが、我ながらよく続いたものだと感心しています。
 私が病院長の職責をそれなりに果たすことが出来たのは、紛れもなく私を支えてくれたスタッフや職員一人一人のおかげでした。広く地域の外科を支え、日野病院の戦略を数々立案していただいた佐藤尚喜副病院長、様々な検査・治療手技を駆使して内科診療に貢献し、学生教育にも手腕を発揮していただいた熊野健太郎診療局長、一貫して病院経営改革に尽力し、平成19年度以降8年連続して黒字を計上するという偉業を達成していただいた生田哲二副病院長兼事務局長、卓越したリーダーシップと管理能力で看護の質を高め、「看護の宅配便」を通して地域に貢献していただいた小村裕美子看護局長、優秀な診療放射線技師として長年従事し、2回の病院機能評価を乗り切っていただいた佐々木健二医療技術局長、その他すべての医師、看護師、パラメディカルの皆様に感謝申し上げます。
 特に感謝の気持ちを伝えなくてはならないのは私の在職期間を通して日野病院組合管理者を務められた景山享弘日野町長です。日野病院の機能と限界を熟知し、ことあるごとに日野病院をどのように利用すればよいかを住民の皆様にお話しいただきました。また、しばしば鳥取大学にも足を運んでいただき、対外交渉に際し大きな力をいただきました。
 今、外来や病棟で患者さんやご家族にお別れのご挨拶を申し上げています。その際、何がしかの不安を口にされる方がいらっしゃいます。しかし、それは杞憂(きゆう)です。というのは、私の後任として孝田雅彦副病院長が病院長に就任するからです。孝田先生は消化器疾患の専門医であり、特に肝疾患診療に関しては日本で指導的な立場におられます。日野病院は必ずや孝田先生を中心としてさらに皆様に信頼される病院になっていくと思います。どうぞ、これまでと同様に、否、これまで以上に日野病院を利用していただくようお願いいたします。
 最後に、1日の大半を病院で過ごす夫(あるいは父親)に我慢してくれた家族に許しを請いながら、私の日野病院での歴史に幕を引かせていただきます。 

平成28年9月