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ご挨拶 - 平成18年7月


本年7月より、伝統ある日野病院の病院長を拝命いたしましたので、ご挨拶申し上げます。私は昭和30年に鳥取市で生まれ、昭和55年に鳥取大学医学部を卒業いたしました。卒業後は鳥取大学医学部内科学第三教室(現在は分子制御内科学教室)に入局し、助手、講師を経て平成17年3月に辞職するまで助教授を勤めました。専門は呼吸器内科学、腫瘍内科学です。
平成17年4月からは副病院長として日野病院に勤務し、診療の傍ら病院の現状を学ばせていただきました。ご承知のように、日野病院の基本理念の1つは、「地域住民のニーズにあった良質な医療、保健、福祉のサービスを行い、山間地中核病院として信頼される病院を目指す」というものです。昭和15年の設立以来、歴代の病院長、職員の皆様はこの理念を達成すべく努力を重ねてこられました。しかしながら、近年の少子高齢化あるいは医療資源の枯渇化の荒波は、このような従来からの日野病院のあり方自体にも抜本的な見直しを迫っています。
医療を取り巻く厳しい環境変化に対応するため、前病院長である浜副隆一先生は多くの施策を実行されました。そのいくつかは質の高い医療を提供するための施策であり、患者満足度調査の実施、医療の標準化のためのクリニカルパスの導入や第三者評価の受け入れ、接遇改善の努力、病院機能の向上を目指した各種委員会の増設などです。一方、安定した経営のための施策として、病院事業に加え、居宅介護支援事業の拡大を図られ、診療所事業ならびに介護老人保健事業を新設されました。また、病床数を117床から99床へ減らし、適正規模へ向けてのダウンサイジングを実施されました。このような取り組みを引継ぎ、発展させるのが私の務めであると認識しています。
その一方で、職員の皆様といっしょに新たに取り組まなければならない多くのテーマがございます。地域連携、人材の確保・養成などです。地域の診療所、病院との連携は医療資源の効率化、救急医療体制の構築などに不可欠であり、行政との連携は保健事業に新たな展開をもたらす可能性があります。また、優秀な医療専門職人材(特に医師、看護師)、あるいは複雑さを増す病院経営をマネイジメントできる人材をいかにして確保・養成するかは病院の持続的な経営にとって最も重要な問題です。
日野病院の病院長に就任しましたこと大変な重責を感じております。しかし、任命されたからには鋭意専心、日野病院の発展のために努力いたす所存です。なにとぞ、ご指導ご支援のほど、心からお願い申し上げます。

平成18年7月