出かける医療・近づく医療
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病院長1年目の雑感 - 平成19年9月


今まで経験したことのない猛暑に見舞われた今年の夏ですが、ようやく朝晩が涼しく感じられるようになりました。診療所の行き帰りや通勤の際に実り始めた稲穂が風に揺れている様子を見ますと、何万年も繰り返された自然の営みが健在であることを実感し、ホッとした気持ちになります。
 病院長を拝命してから1年が経過しました。これを機に、最近の日野病院組合の出来事を振り返ってみました。その主なものを表1に挙げましたが、職員一同がいかに病院事業の健全経営、診療の質の向上、“出かける医療、近づいていく医療”の実践、福祉サービスの提供、さらには地域に開かれた病院づくりを目指して奮闘してきたかをご理解いただけるかと思います。
 さて、将来に目を向けますと間近に日野病院組合の今後を左右する大きな問題が待ち構えています。診療報酬改定と、行政による公立病院の医療機能分担の推進です。診療報酬改定については、8月8日に厚労省から中医協の総会に検討項目(案)が提示され、来年4月の実施に向けてこれから本格的な検討が始まります。厚労省は医療費の自然体の伸びは従来と同程度の水準(3~4%)と考えており、今回の改定も全体としてはマイナス改定になる可能性は高いと思われます。この号でご報告させていただきましたように、最近の日野病院組合の経営状況は改善傾向にあります。しかし、来年以降もこの傾向を維持するためにはさらなる努力が必要のようです。
 医療機関の機能分担については、現在、複数の省庁で検討されています。厚労省は、医療計画の見直しの中で、鳥取県に公的病院等の役割や医療機関相互の連携の在り方について協議する場を設置することを求めています。また、総務省は7月23日、8月29日に公立病院の経営効率化、経営形態の見直し、再編・ネットワーク化を検討する公立病院改革懇談会を開き、年内にはガイドラインを決定・公表するとしています。来年には各自治体はこれを踏まえた改革プランを策定する必要があるとのことです。日野郡のみならず市部を含めた鳥取県西部における日野病院の今後の位置付けについて、皆さまと共にしっかり議論しなければならない時期にきています。




表1.日野病院組合の最近の出来事
平成18年  
2月23日 梅林 豊管理者が辞職
2月24日 景山享弘氏が管理者に就任
3月 患者満足度調査を実施
3月24日 黒坂診療所1周年記念健康教室
3月31日 岡野一廣副病院長が辞職
5月12日 看護の日イベント
6月1日 田中吉紀医師が江府町介護老人保健施設あやめ施設長に就任
6月8日 あやめ開院
6月30日 浜副隆一日野病院長が辞職
7月1日 櫃田 豊副病院長が日野病院長に昇任
7月15日 ねう祭りに参加
8月1日 療養病床16床を廃止、一般病床を101床から99床へ削減
8月29日 平成17年度日野病院組合事業会計決算認定(収益的収支で1億4百万円、資金収支で8千5百万円の赤字)
9月5日 飲酒運転撲滅宣言
9月28日 日野町ドック健康教室
11月1日 開院記念イベント
12月9日 クリスマスイベント
12月15、20、22日 伯耆町、日野町、江府町住民アンケートの実施
   
平成19年  
1月1日 入院基本料を13:1から10:1へ
3月31日 田中吉紀先生あやめ施設長が辞職
  山根祥晃医師があやめ施設長に就任
5月12日 看護の日イベント
5月24日 日野町下榎健康教室
5月31日 山根祥晃あやめ施設長が辞職
6月1日 武田千濤医師があやめ施設長に就任
6月5日 二部診療所開設
7月21日 ねう祭りに参加
7月27日 夕涼みイベント
8月27日 平成18年度日野病院組合事業会計決算認定(収益的収支では8千5百万円の赤字であったが、資金収支で3千万円の黒字)
平成19年9月