膝の痛みと治療&体操
リハビリテーション室  理学療法士 矢島美沙 


 日野病院に勤務させていただき、はや2年が過ぎました。2年間で色々な患者様に出会い、治療させていただいたのですが、主となる疾患の他にいくつもの合併症(膝、肩、腰の痛みや糖尿病、呼吸器疾患、心疾患等)をもっている方がほとんどでした。そこで今回のニュースは、合併症の中の特に膝の痛みについてお話しします。



 膝が痛いと訴える患者様の多くは、変形性膝関節症と診断され、注射をしたり水を抜いてもらったりの治療を受けていると思います。

○変形性膝関節症とは・・・
 中年以降の年齢層の膝疾患で最もよくみられる原因は、関節を構成する組織の衰えによるものです。つまり、膝のクッションの役割をする軟骨が減ってきて関節に直接負担がかかるようになり、変形したり痛みが出はじめ、それによって膝関節の曲げ伸ばしが困難となります。一般的に膝が外を向いた状態の変形が大半で、膝関節の内側に痛みが出現します。肥満と関係が深いことは明確になっていますが、具体的な発症メカニズムは解明されていません。しかし、肥満でなくても発症することを考慮すると、膝周辺の筋力不均衡、姿勢や動作による負担が関与しているのではないかと考えられています。日野郡では農作業に従事する方が多く、加齢によるものだけでなく労作性の原因によるものが多く見受けられます。
 日常生活では正座、しゃがみこみ、膝立ちなどが制限され、椅子や床からの立ち上がりや歩き始めに膝の痛みを伴います。

○膝の痛みに対するリハビリテーション
 現在、日野病院で行っている治療としては、温熱療法、電気治療、筋力強化訓練、膝関節可動域訓練、膝関節離開(引き離し)テクニック等があり、理学療法士が患者様の状態に適したプログラムを選択し実施させていただいております。そこで今回は、自宅でできる膝の痛みに対する治療法と体操をご紹介します。
1.膝関節引き離し
膝関節に痛みが出る方では、膝の軟骨の磨耗により関節のかみ合わせが上手く行われず、関節内の骨と骨との隙間が狭くなっている状態です。そこへ体重をかけたり、膝の曲げ伸ばしを行う事で骨への負担が増大し痛みとなって出現します。
 膝関節離開という治療法は、狭くなってしまった骨と骨との隙間を広げてあげようというもので、重りと足の届かない高い椅子もしくはベッドがあれば自宅でも行うことができます。

2.筋力強化訓練
 大腿四頭筋の一部である内側広筋は内ももにある筋肉で、膝関節を正常に動かすために働きます。膝の痛みを訴える人の多くは、この内側広筋の筋力の低下が見られます。ただ筋力をつけるだけではなく、正しく働かせることで膝関節への負担が減少し徐々に痛みの軽減につながります。
※1と2の方法については、以下をご参照ください。







運動の仕方
1.膝関節離開

@床に足がつかないよう高いベッドか椅子に腰掛け、2〜3kgの重りをつけます。

A膝の裏がベッドの端に当たるように座って下さい。そのまま15〜20分程度座り、保持して下さい。



2.内側広筋の筋力強化訓練

@ボールまたはバスタオルを膝の間にはさみます(開始姿勢)。A〜Cは@の姿勢からスタートします。

Aボールが落ちないように膝の屈伸を左右それぞれ10回(合計20回)行います。

Bボールが落ちないように内ももに力を入れながら椅子から立ちあがります(10回程度)。

Cボールを押しつぶすように内ももに力を入れます。




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